月と私

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(本当に…どうしろっていうの…。 もう…何なの⁈ 私一人で…あんな所いけるかよ…。) 川には橋がかかっていて、その先にお城が聳え立っている。 お城の前には大きな門があった。 私が一人で迷っていると、突然ドンっと 大きな音が響いた。 その音は門が開く音だった。 (えっ?な、何⁈ ど、ど、どうしよう…。門が開いた…。) 隠れる場所もなく、私はその場で動けずに 漂っていた。 すると、その門から誰かが出てきたのだ。 その人物は私の方へと近づいてくる。 私はオロオロとするばかりだった。 (えっ⁈だ、誰? ど、ど、どうしよう…。) すると、その人物は私に近づいてきて、 話しかけてきた。 「ようこそ、いらっしゃいました。  王様がお待ちになっております。  さぁ、どうぞこちらへ。」 「えっ⁈  うっ、うさぎ⁈  あなたもうさぎなの⁈  しかも…おじいさん⁈」 その人物は立派なスーツを着ていて、 人間のような姿だったが、顔はうさぎのような 鼻と口で、長い耳をはやしていた。 「私は執事のゴートと申します。  ここからは私がご案内致します。 王様はあなたの事をずっと待って  おられます。  さあ、私について来て下さい。」 「はっ?な、何ですか?  どうして…私なんですか?  選ばれたってどういう意味なの?  何か説明して下さい。」 「私はご案内するだけです。  それ以外の事を話す事は禁じられて  おりますので。  どうか、お許し下さいませ。」 (はっ?何なの⁈ みんな禁じられてるの? 禁止され過ぎじゃない? 王様ってそんなに偉いの⁈ 会うの嫌だなぁ…。 怖いんだけど…。) 私は言われるがまま、その人物について 行くことにした。      
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