月と私

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「もう間も無く月に到着致します。  これに着替えていただけますか?」 何故か私は真っ白なドレスを渡された。 まるでウェディングドレスの様な とても綺麗なドレスだった。 「えっ?これ着るの?私が⁈」 「その通りでございます。  この月の国では王様に会われる時は  このドレスをお召しになって頂かないと  なりません。  王様がお決めになった事ですので。  先ほども申し上げましたが、  王様の言う事は絶対なのでございます。」 「わ、分かった…。じゃあ、着るけど… 手伝ってくれる?」 「はい。喜んで。」 その子は手際よく私にドレスを着させてくれた。そして、お化粧と髪型もセットしてくれたのだ。 「あなたすごく器用なのね。  でも…これって…まるで今から私… 結婚式するみたいね…。」 「あなたは選ばれた人間です。  月へ行きたいと願ったのはあなた  自身ではないですか?  王様はあなたを月へ招待したのです。」      
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