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「…土蜘蛛が範囲内に居る」
カインが低い声で静に言った。
彼の言う範囲とは半径50㌔内の事だ。
「ん~…ほっといても良いよね?まだ害が出るほどの霊力持ってないだろう?」
土蜘蛛は気持ち悪いだけで大して害はない。
ただ厄介なのは仲間が増えると霊力が高まり”陰”の世界に介入して人を襲って食べる事だ。
「いや、そうでもないな…それに、物凄い速さでこっちに来るぞ」
「え?!ここは“道“なのに?」
今俺が立っている所は陽の世界の海に向かう“道“。
土蜘蛛の領域はほぼ逆の“山“。
領域内じゃないと普通、そんなに速く移動できない筈じゃ…。
「霊力が高まり、餌捜しに山から下りて来たのだろう。しかも大群で」
うそ~ん。
…土蜘蛛の好物は霊体や半霊体。
つまり、今の俺。
「やばくない?」
「お前はやばい」
やっぱり!
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