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「寧々ちゃん、研究生の衣装。いかがですか?」 ちょうど、ステージ出入口で見ている白河寧々が見えた。 俺が手を引いてセンター位置まで連れて来る。拍手とコールで迎える中、話を聞いた。 「私が研究生の頃、自分の衣装はみんなが着ているTシャツとスカートだけでした。 研究生公演もありませんでした。 それがsolemnityが衣装をサポートしてくれて、オーダーメイドの衣装も作ってもらえる。 恵まれ過ぎてませんか?」 「まあまあ、そう言わずに研究生を応援して下さい」 「私もAdoreの衣装が着たい。正規メンバーにも衣装を作ってください」 ファンが一斉に拍手をして、応援している。 「副社長の加山さんに伝えておきます」個人名を出したのがまずかった。 ファンは大喜びして、コーナーは終了した。 舞台裏に下がると大騒ぎになっていた。 選抜メンバーも知らなかったので、千鶴や結、遥たちに囲まれる。 「真凛ちゃん、私たちにもドレスを作ってください」 「私が決められないので、上の人に言っておきます」 関係者席に移動して、コンサートを見る。 田中氏が、話かけてきた。 「今日のコンサートは1万人の観客だが、net配信で何万人が見ているか判らない。 solemnityは今頃、大変だろうな」 SNSを確認すると、トレンドに研究生、solemnityに混じって加山さんが入っていた。 すぐに謝罪の電話を入れるが、つながらない。 「真凛ちゃん、炎上マーケティングが上手」聖苑が笑っている。 アンコール明けには、退席して会場を出る。 外にもファンがいっぱいいて、出て来た所を見つかって真凛ちゃんコールの中を車に乗った。 「外にも、いっぱいいたね」 「外でコンサートのグッズを売ってるから、買いに来たファンだ。 彼らは配信で見てたんだろう」 田中氏が説明してくれた。 翌朝になって、加山さんに連絡がついた。 昨日の件を謝罪する。 solemnityとして損な話じゃないからと、笑って許してくれた。
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