また明日

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「あの、悠さんってどこの狐なんですか?」 「この辺りだ」 「そうなんです、か」 悠さんは何かを作り始めていた。 「あの何してるんですか?」 「あぁ、これか?仕返しだよ」 仕返し?もしかして修さんだろうか。てことはトラップ。 「修さん、、殺すきなんですか?」 「あぁ、」 私は、悠さんの腕を無意識に掴んだ。え、何やってるんだろ私。 「あ?なんだよ」 「あ、えっ、とすみません。体が、勝手に動いて…」 悠さんがすごくこっちを睨んでる?ような気がする。ほんとに何やってるんだろ。 もしかして、私、修さんを殺して欲しくなくて、止めた? 「お前…まだ、修が好きなのか」 「……好きじゃない、、はずです」 修さんは私のこと1ミリも好きでいてくれてなかった。そもそも修さんは狼で狼と狐は敵同士だから仲良く出来るわけない。……それでも、私は彼のことが好き…?なんだろうか。 「お前は修に殺されかけたんだぞ…それで、なんで、、まだ」 「彼は初めてあった日私を助けてくれたんです。好き…とかは分からないけど。殺す必要はないと思います。」 「そうかよ。でもな、あの時お前を助けてやったのはあいつじゃない」 「え………?」 修さんじゃない?だとしたら誰が………っ 「悠さんだった……の」 悠さんは首を縦にふった。 確かに修さんと悠さんはとても容姿が似ている。あの時、暗闇で髪色は見えなかった。 「俺は、あの時のことを修に話しちまったんだ。その後にあいつが狼っていうのを知ってよ。最近毎日店に来るやつがいるとは聞いてたけどよ、狐のお前だとは思わないだろ。だけどよ、お前の名前が修の口から出てきた時に、なんか、聞いたことある名前だと思って、会うことにしたんだ。そしたらお前だった。」 どういうこと?私と悠さんは、ずっと前からあったことがあるってこと? 「お前は、覚えてないと思うがよ、俺のホントの名前は、森沢悠だ。」 「同じ苗字…?」 「そうだ」 てことは、私の家族…ってこと。なの? 「俺はお前の兄だ。」 「ホント、に、?え?あれ、涙、、?」 私はわけも分からず涙がポロポロと流れてきた。 「俺は5歳の時まで紺と一緒に暮らしてたんだ。でもな、その5歳の時に俺たちが住んでいた森を燃やされたんだ。その時に母さんと父さんが亡くなったんだ。俺はお前もてっきり亡くなったと思ってた。だけど、前お前を見つけた。俺は夢を見てるのかと思ったよ。俺は、ずっと1人だったんだ。だからこそ、最高に嬉しかった。だからな俺は、俺の大切な家族を殺そうとした修を絶対に許さない。」 私は忘れていたんだ。ちゃんとは覚えてはいけど、確かに誰かとずっと一緒に居た気がする。私は、ずっと1人で、いると思っていたけど、1人じゃなかったんだ。むしろ悠さんの方がずっと孤独だったんだ。 「へぇ〜そうなんだね!」 「…っ修さん」 「感動するなぁ〜!まぁ…だからこそ壊したくなるんだけど、、ね!」 「は?お前…紺!」 「イヤッ……え?」 修さんは狼の姿で私に噛み付こうとしたところで目の前で止まった。 「修さん!」 私は目の前にいる修さんを抱きしめると修さんはポカンとした顔をした。 「は…」 「修さん!もうやめてください。私、修さんに殺されかけたし、あの時修さんに助けてもらった訳じゃないけど、修さんと過ごしてた思い出はすごく楽しかったです。」 「修。お前、ホントは紺のこと好きなんじゃねぇのか」 「何言って…俺は紺ちゃんを殺そうと…」 「お前だって、ホントは寂しかったけど、紺のおかげで、寂しさを感じることはなかったんじゃねぇのか?」 「それは…お前らに何がわかるんだよ!」 「分かりますよ。修さん。私たちもずっと1人だったので。でも、あなたに会えたから私は寂しくなかったですよ。」 「お前はちげぇのか?」 「俺だって!……でも、俺らは…対立種族だか…ら」 「だからなんなんですか!?私はそんなの関係ないと思います。私はあなたが狼だろうとあなたが好きですよ」 私は、ちょっとした怒りに任せて、言いたいことをはっきりいった。 「俺も…紺ちゃんは好き、、だよ。でも、」 「でもじゃねぇだろ」 「……紺ちゃん、改めて言います。」 私は息を呑んだ。何故かとても緊張してしまう。 「俺紺ちゃんが好きです。改めて俺と付き合ってくれませんか?」 「もちろんです!」 修さんはしばらくの間泣いていた。 「…良かったな」 「ありがと…悠」 「まぁ、殺そうとしてたことは許さねがな」 「ご、ごめん」 「絶てぇ紺を幸せにしねぇと許さねぇからな」 「うん…絶対幸せにする」 「私だって1人にしないし、幸せにしますよ!」 「うん!」 「これからはもっと店に来てね」 「はい!」 「俺も行くけどな」 「ダメー」 こんな日常がこれからも続いて欲しいな。 明日もこんな感じで、楽しく話したい。 「絶対明日も来てね」 「来るに決まってるよ!」 「また明日!」 「あぁ、また明日」 「うん!また明日!」 また明日、この言葉が私にとって最高の言葉になった。
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