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「先生!」
俺は先生を抱き起した。先生の呼吸は、早く、浅かった。
「先生・・?」
「山田・・。最期にお前と話がしたくて、死ぬのを引き延ばしてしまった」
「なに言ってるんですか」
「酸素の量は限られている。俺が死ねば、それだけお前が生きられる・・」
「な・・なに言って・・」
「しっかりやれよ。お前は、本当は・・出来るやつだ・・・」
「先生?!」
先生は、そのまま、眠る様に・・・
「うそ・・噓でしょ、先生・・先生!!」
どんなに呼び掛けても、ゆすっても、先生は目を覚まさなかった。
青黒い顔が、命の喪失を知らせていた。
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