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どのくらい、そうしていたのか・・。
俺は、先生の身体を抱えたまま、へたり込んでいた。
小さな救命ポッドの中で、訓練された飛行士でもない俺にやれる事は何もない。
温かかった先生の身体が、人肌を感じなくなった頃、
ピーピーピー
アラームが鳴った。
『大気のある惑星を発見しました。自動着陸モードに移行します』
録音された女性の声がアナウンスした。
俺の正面に、マンホールの蓋よりは、小さな丸い窓があった。
宇宙の暗闇の中に米粒より小さいけど、確かに青い星が見えた。地球の様なとこなのだろうか。
「先生、新しい星です・・」
先生は、応えない。俺の腕の中で、永遠の眠りについている。
俺を生かす為に、先生は・・・。
先生・・・
「俺、先生の分まで生きる・・」
呟いた俺の目から、涙が零れた。
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