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なくしていたとおもっていた。そんなはずはないのに、でもみあたらなくて。どこにいれたんだろ。ここにいれたはずなのに。
そんな風に心当たりを探した。けれど見当たらなくて、しょんぼりしていた。
ある日、何気なしに開いたチャック。
「あった!」
嬉しくなった。テンションが上がった。その日1日体が軽くなった気がした。
好みだったわけではない。だけど、とてもお気に入りで、なくなると気落ちしてしまうほど好きなものだった。だから、もう一度しまった。大事に。でも同時思い出した。
好きで大切になくさないようにしまったものが、見つからなくなってしまったことを。
どこにしまったんだろ。どこに…
たまにあちらこちらの扉を開ける。
そんな風に記憶を辿っていたら、いつも君の瞳にぶつかる。ビー玉のような瞳をした君を。
君の瞳のようなビー玉が太陽の光にきらめく。
「見つけた!」
心踊る瞬間を期待しながら。
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