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なる、なる、なる。
これは、私が大学生だった頃の話。
今では年も年なので少し控えるようにはしているが、当時の私は結構な大酒飲みだった。一人で飲むというのではなくて、友達と集まってワイワイしながら飲むのが大好きだったのである。ようは、お酒そのものが好きだったというより、友達と会う口実にお酒を使っていたというのが正しいのかもしれない。
自分で言うのもなんだが私は結構陽気なキャラクターだったこともあって、古い友人だと幼稚園の頃からの知り合い!なんて人物もいたほどだった。そういう友人達とはメールやLINE、あるいは年賀状などで繋がって、長く長く楽しいお付き合いを続けていたというわけである。
ゆえに、同窓会なんてイベントも、ハガキが来ればすぐに飛びついたわけだ。
同窓会系は苦手な人もいると知っているが、私は昔から大好きだった。特にお酒が飲めるようになってからは。居酒屋、もしくはカラオケで集まるのが定番で、小学校時代の友達とは特に集まる機会が多かったように思う。
そんなある日のこと。私のところに葉書とLINEのお知らせが同時に来たのだった。小学校四年生の時のクラスのみんなで集まろう、というものである。場所は、東京のとある駅前の居酒屋。遠い場所でもないし、一も二もなくOKしたのだった。
小学校時代の友人達とは個人で何度か会っていたものの、四年生の時のクラスで同窓会をするのは実は初めてのことだったのである。六年生の時のクラスではやたらと集まっていたが、四年生のクラスの友人の何人かは今何をしているのかさえ知らない状態だった。
久しぶりに、懐かしい友人たちと会える。彼らの近況を聞きながらお酒が飲める。私としても、こんな楽しいことはない。
だからものすごく楽しみにして、夕方七時、居酒屋での集合に応じたのだが。
「久しぶりね、霧ちゃん!」
私に声をかけてきた人物を見て、驚いた。化粧をばっちり決めた、お水のお姉さん――かと思うくらい、派手系の美女がそこに混じっていたのだから。
「わからない?あたしよ、芙美!卜部芙美よ!」
「え、えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
思わずすっとんきょうな声を上げてしまう。
そこに立っていた女性は、自分が知っている“卜部芙美”とは似ても似つかない姿であったものだから。
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