6人が本棚に入れています
本棚に追加
義明は若いサラリーマン。東京で一人暮らしをする独身だ。駅の近くにあるアパートで独り暮らしをしながら、暮らしている。そこそこ仕事は順調にできていて、みんなから信頼されている。
今日も義明は、いつものように最寄りの駅にやって来た。駅は高架になっていて、改札は1階にある。改札口の前には、ロータリーがあり、バスが発着している。この時間帯は穏やかだ。朝の騒然とした雰囲気とは全く違う。
「今日も疲れたな」
義明は疲れていた。今日は金曜日だ。明日は休みだ。明日はゆっくり休んで、仕事の疲れを取ろう。
「ん? このうどん屋さんは?」
と、義明は駅前にできたうどん屋が気になった。数週間前にできたそうだが、うどんがおいしいらしい。本当においしいんだろうか? 自分で確かめたいな。
「入ってみようかな?」
義明はうどん屋に入る事にした。うどん屋はそこそこ人が来ている。なかなか評判のようだ。
「いらっしゃい!」
店員は元気な表情だ。聞いているだけで、元気が出てきそうだ。
「それじゃあ、かけうどんで」
「かしこまりました。かけうどん一丁!」
「へい!」
それを聞いて、店員はうどんを作り始めた。ここは立ち食いのうどん屋のようで、すぐにできて、すぐに食べれるのが自慢のようだ。
と、義明は張り紙が気になった。ここの稲荷寿司は評判のようだ。どれだけおいしいのか、自分で確かめたいな。
「ここって、稲荷ずしがおいしいのかな?」
数十秒後、うどんが出来上がり、店員が持ってきた。安くておいしいなんて、最高だな。
「おまちどう、かけうどんっす!」
「ありがとうございます」
義明は七味をかけ、うどんを食べ始めた。だしはあっさりとしていておいしい。それに、麺はなかなかコシがある。
「なかなかうまいな」
ここに来ている他の人も、おいしそうに食べている。中には稲荷寿司とセットで食べている人もいる。
「なかなかおいしいからまた来ようかな?」
義明はあっという間に食べ終わった。また来ようかな?
「250円です」
「ありがとうございました」
250円ちょうどを出した義明は、店を出て行こうとした。だがその時、店員の1人が気になった。尻から尻尾が生えている。まさか、キツネが化けている? いや、そんなの作り話だ。
「えっ・・・。さ、錯覚だよな・・・」
義明は何事もなかったかのように店を出ていった。おいしかったので、また来ようかな?
またある日の事。お昼のうどん屋では、主婦が来ていた。家事を終えて、ここで一休みをするようだ。この時間帯もそこそこ人が来ている。
そんな中、主婦の浪子(なみこ)は悩んでいた。夫の恵三(けいぞう)の帰りが遅いのだ。そのため、2人で夕食を食べる事があんまりない。不安で不安でしょうがない。不倫しているのではと思ってしまう。
「ねぇ、最近、恵三さんがおかしいのよ」
「どうしたの?」
隣で一緒にうどんを食べている主婦も気にしている。
「最近、帰りが遅いの。何かあるんじゃないかと思って心配で」
「うーん・・・」
隣の主婦も考えた。一体どういう事だろう。やっぱり気になる。
と、その様子を店員が見ている。何かを考えているようだ。
「どうしようか?」
「あの人、気にしてる」
別の店員も、その様子を見て、何かを考えている。
「よし! 君、キツネになって捜査に出てくれ!」
「わかった!」
実はこのうどん屋はみんな、キツネが化けて営業していたもので、情報屋という裏の顔も持っていた。彼らはすでに、恵三がどこで何をしているのかは知っている。この辺りのあらゆる情報はここに入ってくるのだ。
その夜、浪子の家の近くに、2人の店員が来ていた。今回の計画では、1人がキツネになって、浪子を誘い出し、恵三のいる居酒屋に誘おうというのだ。
「この人か」
「うん」
と、1人の店員がキツネになった。キツネは玄関の前にやって来た。これから浪子を誘おうというのだ。
浪子は1人は寂しそうにしていた。夫はどこに行ったんだろう。早く帰ってきてよ。一緒に寝ようよ。
と、浪子は家の前にキツネがいる事に気が付いた。キツネがここに来るなんて、珍しい。
「あら、キツネさん」
と、キツネはどこかに行く。どこに行くんだろう。浪子は家を出て、後をつけ始めた。
「どこ行くのかな?」
浪子は興味津々に後をつけていた。その先には何があるんだろう。きっと、重要な場所かもしれない。
浪子は駅前までやって来た。この近くには居酒屋があり、夜遅くまで営業している店もある。まさか、恵三はこの辺りの居酒屋で飲んでいるんだろうか? だったら、誘うはずだ。絶対におかしい。
キツネがやって来たのは、駅から少し入り組んだところにあるバーだ。まさか、ここにいるんだろうか?
「ここ、どこ?」
このバーの事は全く知らない。試しに浪子は入ってみた。すると、そこには恵三がいて、女とイチャイチャしていた。まさか、ここにいるとは。
「あっ・・・」
浪子の姿を見て、恵三は呆然とした。浪子がここにやってくるとは。どうしてわかったんだろう。
「浪子・・・」
「あなた、何をしてるの?」
浪子は怒っている。明らかに不倫している。私だけを愛していると思ったのに。
「ご、ごめんなさい・・・」
「早く帰るよ!」
浪子は料金を支払って、恵三を力ずくで引っ張った。恵三はがっかりしている。まさか、ここにいるのがばれるとは。
「そ、そんな・・・」
2人は出口にやって来た。そこには、うどん屋の店員がいる。まさか、あの店員が誘ったんだろうか? と、恵三は店員の尻から尻尾が生えているのが見えた。まさか、キツネが化けていたとは。
「あっ、あのうどん屋の店員・・・。まさか・・・」
恵三は浪子に引っ張られて、帰路に就いた。店員はその様子を見て、クスっと笑っている。
最初のコメントを投稿しよう!