ON

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 病弱でもある曖裏は数日間風邪で学校を休み寝込んでいた。  その日、トイレから出てフラフラしながら寝床に向かっていると、タンスの角に足の小指をぶつけた。 「うぎ!?」  反射的に片足になる。瞬間、バランスを崩し、後ろに倒れ込む。  背後の机の角に、後頭部を強打。 「――――」  気が遠退くほどの衝撃の後、曖裏は膝をつき、前のめりに倒れ込んだ。 カチッ  薄れ行く意識の中、曖裏は最後にそんな音を耳にした。
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