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温田の忠告も虚しく、曖裏の噂は留まることなく広まっていった。
『頭をぶつけただけでなんでもできる超人になるとか漫画かよ』
『むしろゲームの裏ワザみたいだ』
『それな。特定のコマンドを入力したら無敵になるやつ』
『俺の頭もショックを与えたら覚醒しないかな。いや逆にバカになるかw』
『もし誰にでもできたら世紀の大発見じゃん。人類が一気に進化しちゃうぞ』
『一度見てみたいな。そのスーパー女子高生』
やがて学校や自宅にも興味本位で訪ねてくる者が現れ始め、両親にも以前から不審に思われていたのもあり、曖裏は高校を自主退学し、家を出た。
それでも好奇の目は曖裏を追い続ける。もはや隠しきれないと悟った曖裏は、開き直ることにした。
(いいわ。そんなに私のことが気になるなら、見せつけてやる。生まれ変わった私の力を……!)
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