ON

7/7
前へ
/14ページ
次へ
 温田の忠告も虚しく、曖裏の噂は留まることなく広まっていった。 『頭をぶつけただけでなんでもできる超人になるとか漫画かよ』 『むしろゲームの裏ワザみたいだ』 『それな。特定のコマンドを入力したら無敵になるやつ』 『俺の頭もショックを与えたら覚醒しないかな。いや逆にバカになるかw』 『もし誰にでもできたら世紀の大発見じゃん。人類が一気に進化しちゃうぞ』 『一度見てみたいな。そのスーパー女子高生』  やがて学校や自宅にも興味本位で訪ねてくる者が現れ始め、両親にも以前から不審に思われていたのもあり、曖裏は高校を自主退学し、家を出た。  それでも好奇の目は曖裏を追い続ける。もはや隠しきれないと悟った曖裏は、開き直ることにした。 (いいわ。そんなに私のことが気になるなら、見せつけてやる。生まれ変わった私の力を……!)
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加