第一話「地面が揺れるような出会い」

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「ここに届けたらいいのか」 「はい。そうですが」 「ふーん」  クラウスは「貸せ」とエマからバッグをひったくる。そして目を閉じると、手紙が次々とバッグから浮き上がった。そんな光景に目を丸くしていると、今度は手紙が素早く、まるで流星群のようにどこかへ飛んでいってしまう。 「届けたぞ。これで仕事は終わったな」 「え、ええっ?」  困惑したような声を出すエマに、クラウスは満足そうに笑う。 「手伝ってくれるだろう?」 「……はい」  納得いってないような顔をして、エマは頷いた。
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