第二話「流れ星を探しに」

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 たそがれの丘に到着する。小高い丘に、家が一軒ぽつんと建っていた。機嫌のよさそうなエマと違い、クラウスは不審そうな目をしている。扉をノックして、エマが声をかけた。 「こんにちは、エマです」 「……入れ」 「おじゃまします」  家の中に入っていくエマにクラウスは続く。特に何もない、小さな家だ。部屋の真ん中に老人がひとり座っている。 「元気じゃったか、エマ」 「ええ、おかげさまで。おじいさまもお元気ですか?」 「この通りじゃ。腰が辛くてなかなか立ち上がる気になれん」 「まあ」  老人は笑い、クラウスに目を移した。
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