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「どうして王子様が探し物を?」
クラウスはむすっとしたような顔をする。
「……日頃の行いが悪いからだそうだ。まったく、なんでこの俺が欠片なんぞ探しに来なくてはならんのだ。自分だっていつも遊んでばかりのくせに、あのくそ親父」
不機嫌そうに地面を睨みつけながら、ぶつぶつと小さな声で文句を垂れる。エマは首を傾げた。
「欠片?」
「ああ。俺が探しに来たのは――夢の欠片だ」
その一言に、エマは瞳を輝かせた。
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