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鼻歌をうたいながら、エマはポットを傾ける。お気に入りの花の香りが広がり、思わず口角が上がる。紅茶とお菓子をテーブルに置いて、エマはクラウスの前に腰掛けた。
「どうぞ、召し上がってください」
「ありがとう。意外と気が利くんだな」
言いながら紅茶を口に運ぶ。それをテーブルに置いて、真っ直ぐにじーっと自分を見つめるエマの姿に気が付く。一瞬眉をひそめるが、すぐその意味に気付いた。微かに目を逸らし、「美味い」と小さな声で伝える。エマは満足そうに笑った。
「それで、王子様。夢の欠片とは何ですか?」
「星だ」
「星、ですか?」
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