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しばらく紅茶とお菓子を堪能していると、エマはふと時計を見上げる。午後の仕事の時間だ。
「王子様、ごめんなさい。わたし、そろそろお仕事の時間で」
エマの言葉にクラウスは怪訝そうな顔をする。エマは仕分けておいた手紙をバッグに入れて準備をする。ばたばたと慌ただしく準備をするエマの姿をクラウスは目で追いかける。
「それでは、わたしは出るので、王子様はどうぞごゆっくり」
「待て待て待て待て」
そのまま玄関から出て行こうとするエマをクラウスが引きとめる。エマは不思議そうにクラウスを見上げた。
「なんでしょう?」
「貴様は俺の探し物を手伝ってくれるのではないのか」
クラウスの言葉に、エマは困った顔をする。
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