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「…………」
君は何も言わず、涙を浮かべても、その大きな瞳に悲壮の影が立つことがなく、歯をくいしばって耐えている。
「この悪女が! 魔女が! 地獄に堕ちろ」
出来るなら声を張り上げたかった。
この国を滅ぼしてでも、君を助けたかった。
君以外、誰もいらなかったのに。
【婚約破棄して、私は処刑。それが、みんなを守れる一番の方法だと思う。うん、それがいいわね】
君はいつも、なにかを納得して、なにかを諦めて、なにかを守ろとした。
がんばれば、努力すれば、君の考えていることが分かると思っていたけど、少しでも理解が進んだ時、怖くなって僕は考えることを辞めてしまったんだ。
だから、こんな結末になった。
「――静粛にっ!」
悪趣味なショーを終わらせるために、陛下が玉座から立ち上がる。
「これから、世紀の大悪女! シャーロット・カートレットの処刑を行う」
陛下の宣言と同時に、シャーリーのピンクの瞳から、涙が流星雨のようにぽろぽろ零れ落ちた。
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