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プロローグ
照明の柔らかなオレンジの光が新雪のように真っ白な菜那の肌を照らす。
何度身体を重ねたって恥ずかしいものは恥ずかしい。ドキドキと心臓は壊れそうな程激しく動き、白い肌はほんのり紅色に染まっていく。
「んっ……あっ、ん……」
蒼司の大きな手が菜那の身体に優しく触れた。
「菜那さん……こんなに濡らして、可愛いな」
淫靡な水音が段々大きくなってくる。
「やぁっ、もっ……そ、うしさんっ……」
「ん? どうしました?」
菜那を組み敷いた蒼司は余裕そうな笑みを浮かべている。
「わ、私だけいっつも……蒼司さんは、気持ちいいですか……?」
ふっと笑って身体がピタリと隙間なく触れ合った。熱い吐息が耳元を甘く擽る。
「凄く、気持ちいいよ」
「っ……!」
熱い吐息は首元へ移り、体中にキスの嵐が降りそそぐ。
「こうして菜那さんに触れているだけでもイキそうになるくらいね」
胸元に唇を触れた蒼司に下から覗き込まれ、ゾクリと身体の芯から震えあがる。雄の瞳をした蒼司に見つめられ、胸の高鳴りが止まらない。
「だからもう、菜那さんの中に入らせて……」
コクリと頷くと熱い質量が菜那の中をいっぱいにする。隅々まで身体を重ねて、全てを蒼司にさらけだした。
「あぁっ、蒼司さんっ……す、きっ……」
「俺もです。好きだ……っ」
言葉に、この温もりに心も身体も全て満たされる。
蒼司に出会えたことは自分にとって奇跡だ。灰色になりかけていた世界が瞬く間に色づいた。
「菜那さん……愛してる……」
――たくさんのものを失いつつあった自分がこんなにも甘い時間を過ごせるなんて、思ってもいなかった。
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