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「蒼司さん、先にお風呂どうぞ」
シンクに立っていた蒼司の横に菜那はちょこんと立った。食器を洗い終えた蒼司は濡れた手を拭き、ぽんっと菜那の頭に触れる。
「先に菜那さんが入ってください。俺はまだ仕事が残ってるから」
「そうなんですか。大変そうですね……じゃあ先に入っちゃいます」
「ゆっくり身体を温めておいで」
こくんと頷いた菜那はお風呂場に向かった。後ろ姿も妊娠前にくらべるとかなり丸みを帯びている。でも、その姿も全て愛おしい。出会った時から気持ちは一ミリたりとも減ったことはない。むしろ日々愛しさが増すばかりだ。
「さてと。早く仕事を終わらせないとな」
菜那と同じ時間に布団に入って眠りたい。
蒼司はソファーに座りパソコンを開いた。
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