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痛みと嬉しさがぐちゃぐちゃに混ざり合う。病院に着いた頃には十分間隔でお腹が痛んでいた。
「うっ……痛いっ……」
「菜那さん、大丈夫ですか? 頑張って!」
破水が先だったため、感染症の予防のため抗生剤を投与されている。個室に案内された菜那はベッドに寝そべり陣痛に耐えた。蒼司は苦しそうな菜那の手をずっと握っている。
「う゛う゛~~、痛い、痛いっ!」
病院について一時間は陣痛に耐えている。蒼司に励まされながらなんとか痛みに耐え、たまに看護師さんが部屋に来ては子宮口の開き具合を確認していき、三回目の確認で分娩室に案内された。蒼司も一緒に案内され、「菜那」「頑張れ」とたくさんの声を掛けてくれながら菜那の顔の横に立っている。
「お~、子宮口全開だね、産まれるよ~!」
「んん~~~、痛いです~~~!」
産婦人科の先生が分娩台に乗っている菜那の足の間で笑っている。
「痛いけど頑張って息するよ! 次の陣痛きたら思いっ切りいきむよ!」
「はいぃぃいっ!」
大きな痛みの波が来た時、菜那は思いっ切り力を入れた。
「菜那っ、頑張れっ!」
「蒼司さんっ、ンんんッ~~~!」
蒼司の手を握りながら最後まで踏ん張る。
「菜那っ、もう少しだ、頑張れっ!」
「ンん~~~っんあぁ!」
あ……。
「ふぎゃぁ、んぎゃあ」
か弱いのにしっかりとした赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
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