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 一か月の新生児の時期もあっという間に過ぎ、無事一か月検診を終えた。 「和香那、よく頑張りました」 「本当にうちの娘はいい子過ぎる」  身長や体重などを測るために一度脱がせた服を着せながら菜那は和香那に向けて笑顔を見せる。もちろんその隣には菜那以上にデレた顔の蒼司がいた。  娘の名前は宇賀谷和香那(うがやわかな)。蒼司が菜那のように優しい人になって欲しいからと那の字を取り、周りを和ませ、心が美しい子になって欲しいと願いを込めてつけた名前だ。 「今日の検診は終わりです。時に問題はなかったですね。また次の検診までに何かきになることがあったら遠慮なく受診してくださいね」  優しい産婦人科の先生の言葉に感謝しながら、三人は病院を出た。  和香那を新生児用のチャイルドシートにのせ、向かう先は菜那の母親が入院している癌センター。しばらく車を走らせているとさっきまで起きていた和香那はすやすやと夢の中。 「ふふっ、もう寝ちゃいました。早いですね」 「きっと検診で疲れたんですよ。でも、特に問題なくてよかった。それに菜那も、産後一か月経ったからって無茶しないこと。俺がいるんだから頼ってくださいね」 「わかってますよ。……ふふっ」  菜那は両手で口元を押さえながら蒼司を見る。 「なに? どうしました?」  バックミラーに不思議がる蒼司の顔が映っている。
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