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「……そうですよね。多分次行くときにはもうゴミで溢れてるかもですね」
「でもうちのお店、今頑張らないとやばいもんなぁ……」
「そう、みたいですよね……」
カジハンドは感染症の流行により、自宅に他人を入れる事を避ける光景が出てきてしまったため、経営不振に陥っていた。なのでゴミ屋敷であろうと、なかろうと、依頼を断るわけにはいかないのだ。
事務所につき、中に入ると既に他の社員は退社したようで社長の尚美しか残っていなかった。菜那と沙幸が帰ってきたことにも気が付かずにパソコンと睨めっこしている。
「社長……? ただいま戻りました」
菜那が険しい顔をしていた社長におずおずと話しかけた。
「ああっ、二人とも戻ったのね! お疲れ様! 他の皆んなはもう帰ったから二人も片付け終わったら上がって大丈夫よ」
「じゃあ、お先に失礼しまーす!」
更衣室に入り、素早く着替えた沙幸は事務所を風のごとく出て行った。菜那も着替えをすませ、スマートフォンを取り出す。
『今日会える?』
メッセージアプリを開いて五年付き合っている彼氏の田中樹生(たなかたつき)にメッセージを送った。
最近樹生が忙しくて会えてないもんなぁ。
もう二週間以上会っていない。数秒トーク画面を眺めていたがすぐに返事が来ないのでスマートフォンを鞄にしまいながら更衣室を出た。
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