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――
朝六時、毎日の習慣とは怖いものでその時間に勝手に目が覚める。目を開けた瞬間の見慣れない天井に驚き、身体を起こすと隣にすやすやと蒼司が眠っていた。
そっか……そうだよね。結婚したんだから当たり前なんだけど、嬉しいな……。
蒼司の前髪が目にかかっていたのでそっと掻き上げる。無防備な蒼司の姿が新鮮でつい見惚れてしまった。
「んん……」
蒼司の眉間に少し皺が寄る。そしてゆっくりと瞳が開きだし、ふにゃっと笑った。
「菜那さん、おはようございます」
「おっ、おはようございます」
「今何時ですか?」
菜那はベッド横のナイトテーブルに置いてあったスマホに手を伸ばし時刻を確認した。
「今は六時五分です。宇賀、蒼司さんはいつも何時に起きられるんですか?」
「いつもは適当かなぁ。在宅での仕事が多いし、クライアントとの打ち合わせも大体午後からだから。でも今日は午前中から打ち合わせがあるから早く起きれてちょうどよかったです」
もそっと布団の中で動いた蒼司は起き上がった。
「……幸せだなぁ」
菜那の寝ぐせでうねっている髪を優しく撫でながら蒼司は菜那から視線を逸らさない。朝からドキドキしすぎて、こんな生活が毎日だと思うと思わず頬が緩んだ。
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