ツチノコの発見

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「ここが君たちが寝泊まりするコテージだ」 コテージという名の木の家がずらりと森の中に沢山並んでいた。普段はバーベキューなどのイベント事で使用されているらしい。 「君たちはここで自給自足で一週間過ごしてもらう。自給自足とは言っても近くに野菜などは売ってるからそれを調理するだけだけどね。じゃあ次、ツチノコの場所を案内するよ」 係員はそう言って、また森の方へ歩き始めた。 木々の匂いと生い茂った草の香りがする。山道の下には川が流れ、川の匂いもした。泥や土、砂がある場所であったり、一点草原枯れ草がある場所であったりと、様々で広大だった。 「今歩いてきた全ての場所に、ツチノコは生息している可能性がある。そこからどこを絞って探すかは君たち次第だ。健闘を祈る」 こうして、僕たちのツチノコ探しは始まった。果たして、この広大な土地の中に、本当にツチノコはいるのだろうか。 一日目は、説明で日が暮れ、夜になり、コテージで、夕食みんなで作って決起集会を行うことになっていた。 「じゃあ、この日のために集まった6人のを祝って乾杯!」 チームの係員がそう声をかけて乾杯した。そこから自己紹介をする流れになった。 「自己紹介と行こう。じゃあ君から」 そう言って指名されたのはとても見た目がチャラそうな男だった。 「はーい、俺は、C大の菊地大河です!今回のツチノコ探索に参加したきっかけはノリでーすよろしくお願いしまーす」 C大って、僕と同じ大学じゃないか。なんかどこかで見たことあるような。どこかで聞いたことあるようなないような、、思えばよく学食で見るうるさい学生だった。 「私は、山本珠莉亜よろしくねー。私は、この村への観光ついでに参加したって感じでーす!」 次に自己紹介したのは僕と同じ年齢位の女だった。彼女は中南米系のハーフだろう。そんな顔つきをしていた。 「えー私は、青野 保則だ。私も彼らと同じくほんの暇つぶし程度だ。よろしく頼む」 青野という50代くらいの男性が渋い声で自己紹介をしていた。どこか見覚えのある顔をしていたがどこで見たかは覚えていなかった。 「えっとじゃあ次は私が」 少しの沈黙の後、僕と、眼鏡をかけたオタクと、女性が譲り合ってから、謙虚に女性が話し始めた。 「私は、遠野 理瑚といいます。参加したきっかけは、皆さんと同じで気分転換の様な感じです。よろしくお願いします」 遠野という女は、僕よりも少し年上のオーラを感じさせた。とても落ち着いた声で淡々とした自己紹介だった。 「じゃあぼ、僕が次行くよ。僕は小田 国男。き、君たちとは違って僕は、本当にツチノコの生態にロマンを感じて、ツチノコが好きだから参加した迄です。よろしくお願いいたします」 僕はその自己紹介を聞いてハッとした。この人は、あの時僕とぶつかったあのオタクだった。早口で吃音なのがオタクらしい喋り方だった。 「じゃあ、最後に僕ですね。僕は萩原 一仁と言います。参加理由は、退屈な日常を紛らわすためです。よろしくお願いします」 僕の挨拶の後決起集会ということで、料理を作りながら色々な話を咲かせていた。僕とオタクの小田以外が。 ツチノコ探索の一日目はあっという間に終わった。
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