0人が本棚に入れています
本棚に追加
6日目、昨日、あれだけみんなで協力して仕掛けた罠。
それを一個ずつ確かめていった。
かかりなし、かかりなし。
草原のゾーン、川辺のゾーン、泥のゾーン、砂利のゾーンの罠は全てかかりがなかった。そして、最後のゾーン森林のゾーン、かかりなし。かかりなし。どんどんと罠の数が減っていく事に、次第にみんなの期待感が募る。今度こそは、今度の一個にはツチノコがいるんじゃないか!いてくれ!そんな声が聞こえてくるようだった。
そして、最後の罠。一個。
「これが最後か」
「これが正真正銘のラストってことだな」
「私は、いるって信じる」
「私もよ」
「私も同じ気持ちだよ」
「ぼ、僕もだ。絶対にいるだろ!」
「じゃあ、開けるよ」
そう言って、最後の檻を確認する。
そこには、僕たちが夢にまで見たあの幻のツチノコが居た!
「キャーーー!」
山本は、叫んで小田に抱きついた。
「こ、これが本当の愛ってやつか」
小田はそう言って顔を真っ赤にして倒れた。小田が初めて、愛を知った瞬間であった。
最初のコメントを投稿しよう!