第一話

1/3
前へ
/236ページ
次へ

第一話

「流行り病?」 「はい」  マアラの執務室である村の村長がそう告げた。  村長の名はスティーブ。  村民二百人程の小さなノルマン村。  一月程前から村に奇妙な現象が起こる様になったのだ。十代の子供達が突然倒れ意識不明となる現象が起こり医師に見せても原因は分からなかった。熱などの症状は無く、ただ眠り続け意識が戻らないのだ。それは次々と流行り病の様に移って行き、今は村の十代の子供達は皆、眠り続けてしまっているのだ。だが不思議な事にこの現象は十代以外には全く症状が出ておらず謎めいていた。村長はそんな村人の不安を受け、魔王マアラに相談へとやって来たのだ。  だが実はこの相談を受けたのは初めてでは無かった。この半月前にも複数の他の村から同じ様な報告を受けていたのだ。事態を重くみたマアラは部下に調査する様に指示を出した。 (何か嫌な予感がする…)  マアラは妙な胸騒ぎを感じて仕方がなかった。  
/236ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加