第三十二話

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 城の中に入っても無人という事を除いては、特に以前と変わり無かった。  とりあえずジーナの部屋へと向かう。  ジーナの部屋も家具も何もかもそのままだった。 「この世界には僕達二人しかいないんだよね?」 「多分な」 「んー」  と、困り顔の真琴だったが突然お腹がグーっと鳴った。 「ーー⁉︎」  恥ずかしくなり真琴は顔を赤くしている。  あははと笑いながらジーナと一緒にキッチンへと向かってみる。  あまり期待はしていなかったが意外にも食材が揃っていた。 「食べられる…かな…??」  真琴が食材を保存庫から取り出しながらジーナに聞く。  ジーナは真琴が取り出したパンを一口頬張り、その様子を真琴が不安そうに窺っていた。 「大丈夫そうだ」 「じゃあ、軽くだけど作りますね。僕、お腹空いちゃって…」  先程腹の虫が鳴いてしまったのを聞かれたので照れくさそうに真琴はそう言いながら調理を始めた。
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