第三十三話

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「真琴ー!」 「んっ……」 「大丈夫か?」 「ジ…ナ……?」  ジーナが心配そうに真琴を抱き締めながら、名前を呼んでいた。 「突然苦しみだし倒れ込んだから心配した」 「ごめん…もう、大丈夫…」  体を起こそうとするが全身の疲労感からふらついてしまったため、ジーナは真琴をソファへと座らせた。 「ありがとう…」 「今までもこんな事が?」 「うん…何回か…」  ジーナの問いに真琴は頷く。  手首のデモンの印が満月の様になってから、体を乗っ取られるかの様に…。  不安に襲われて両手でギュッと自分を抱き締めた。  このまま自分が自分では無くなってしまうのではないかと…。  不安に苛まれる真琴は見ていてとても痛々しかった。
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