第三十四話

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 長く続いていた嵐も三日後にはやみ、今は青空が広がり澄み渡っている。  鳥の囀りが聞こえて来そうなくらいの暖かい陽気だが今この世界は無音…。  心地良い風を感じながら真琴はジーナと二人で敷地内にある教会へと向かった。  教会に近付くにつれて真琴は違和感を覚えた。  真琴と同様にジーナもその違和感に気付いていた。 「何か聞こえる……」  教会の中から何かは分からないが音が聞こえる。  微かな音たが確かに何か聞こえる。 「ジーナ……」  無音の世界に突然聞こえて来た音に真琴は不安そうにジーナの名を呼ぶ。 「行ってみよう」 「……うん」  不安はあるが何か脱出の手がかりがあるかもしれない。真琴はジーナの後に続いて教会の中へと入った。
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