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下界の街に広がる奇妙な現象の調査の為、マアラの日々の仕事は忙しくその日も遅くまで働いていたのだがふと気になって真琴の様子を見に部屋へと戻った。
「お帰りなさい、マアラ。今日はもう終わり?」
「いや、まだだ。あと少しだけやったら終わりだ。息抜きに真琴の顔を見たくてな」
マアラの言葉に真琴は嬉しそうに笑った。
真琴はマアラの隣に腰掛けると少し緊張気味に話出した。
「あの、明日なんだけど…」
マアラは真琴が言おうとしている事に見当は付いていた。だが真琴はマアラが今とても忙しいのを分かっている為、なかなか言い出せないでいた。
「明日は真琴の二十歳の誕生日だ。明日は必ず早く帰ってくるから心配しなくて良い」
「マアラ……ありがとう」
「当たり前だ。さあ、もう遅いから寝なさい」
「はい」
嬉しそうに微笑む真琴をベッドへと連れて行き、普段は早寝の真琴にとって今は夜の11時を回っている。眠いのを我慢してマアラを待っていたのだろう。健気な真琴の姿にマアラは嬉しくて仕方がなかった。
ベッドに横になった真琴は直ぐに眠りへとついた。
真琴が眠ったのを確認したマアラはそっと部屋の明かりを消して仕事へと戻って行った。
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