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第三十五話
ジーナの背に隠れていた真琴はジーナの服を握り締めていた手を離し、ジーナの横にそっと立つ。
答えは決まっていた。
罠かもしれない…。
それでも、助ける方法があるのなら、それに賭けるしか今は方法が無かったのだ。
「どうすれば良いのですか…」
「真琴ー⁉︎」
真琴の言葉にジーナは驚きの声を上げる。
「何を言ってるんだ、真琴!」
ジーナは真琴を咎める様に声を張り上げた。
真琴の命を狙っていた創世主の言葉である。まともな提案であるはずがない。
罠だ!とジーナは真琴に考え直させる様に口を開きかけた時、真琴はジーナの両手を取りそっと握った。
そしてジーナの顔を見てニコリと微笑んだ。
その笑顔を見てジーナは何も言えなくなってしまった。
全てを覚悟して決心した時の真琴だ。
何を言ってもその決意は揺るがないだろう。
「お前は本当に頑固者だ…」
ジーナは苦々しく言い放った。
「ごめんね…ジーナ。でも、僕にはこれしか出来ないから。どうしてもこのまま人達を助けたいんだ…だから…」
俯きながら泣き出すのでないかというほどの小さな声で真琴はそう言った。
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