第一話

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 怖い。    怖い。  何者かに引き摺り込まれる。  深い深い闇へと。  これは夢だ。  早く起きないと。  闇に引き摺り込まれてしまう。  真琴は必死に暗闇の中でもがいていた。  だが、その抵抗も虚しく真琴は闇へと引き摺り込まれて行ってしまう。 「ま、マアラっ」 ーーーーーーーー 「どうかなさいましたか?」  執務長のダンベルがマアラの様子に声を掛ける。 「…いや、何でない」   誰かに呼ばれた気がするが…。 「気のせいか…」  マアラはこの時の自分を今でも後悔する。  何故もっと真剣に気にも留めなかったのかと。  
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