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マアラが次に目を覚ましたのは8時。
三時間程、仮眠が取れた様だった。
だがふと自分の隣にまだ温もりがある事に気付く。
「真琴…?」
マアラが呼び掛けても起きる気配が無い。
「真琴!」
肩揺すり起こそうとするが目を開ける気配が無い。マアラは真琴の名を何度も呼び身体を揺すり起こそうしたが真琴が目覚める事は無かった。
マアラは急いで医師を呼び真琴を見させるがどこにも異常は見当たらずただ眠っているだけだった。
今、街中から報告が上がっている流行り病の症状と同じだったのだ。
マアラは油断していた。
報告されていたのは10代の若者だけで真琴は今日で二十歳となる。
マアラは昨日の違和感の正体に今更気が付いた。
あれは、真琴がきっと自分に助けを求めていたのだ。日付の変わる前に、あの時に自分が真琴の元へと駆け付けていれば、こうはならなかったはずだと。
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