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男は不敵な笑みを浮かべ真琴を見下ろしている。
真琴は震えながらも男から目を離さず睨み返す。
「おとなしそうに見えて意外と気が強いか。面白い」
男は真琴を見ながら口の端をつり上げ笑う。
「決めた。こいつにする」
男は後ろに控えていた従者の男に命じると従者と共に地下牢を出て行ってしまった。
二人が去った事でホッとしたのか真琴はその場をへなへなと座り込んでしまった。
恐怖で手足が震えている。
「あの人達に連れて行かれたら最後…戻って帰る事は出来ない…」
「え⁉︎」
話し掛けて来たのは通路を挟んで向かいの地下牢にいた若い男の子だった。
「どういうこと?」
真琴が問い掛けると今度はその子の隣の地下牢から声がした。
「あいつらは気に入った子を連れて行く。そのままその子は戻ってこないんだ」
「連れて行かれて何をしているのかは分からないんだよね?」
「……うん」
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