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ザワ
ザワ
ザワ
ザワ
あまりの現実に打ちひしがれる俺なんかを、気にかけることなどなく、現実は通り過ぎていく。
「キャーーー」
「おい!なんだあれ!? ヤバくないか」
「に、逃げろ! 皆、早く逃げろ!!」
異常な騒がしさに、俺は今まで殆ど近付くことのなかった窓に近付き、声のする方を覗き見た。
その先には夜中かと錯覚するような色の空に、紫のワームホールのようなものが、円を描いて浮いていた。
ワームホールの周りでは小さな雷が、今にもなにかを吐きだしそうな雰囲気で、バチバチと音を鳴らしている。
「な…んだよ、あれ…」
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