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プロローグ
魔物の軍勢に攻め込まれ、崩落寸前の王都セレヴィスタ。
「ルーカス、もう終わりにしよう」
自然界のありとあらゆるものに宿る純然たるエネルギー“マナ”を吸収し魔族化し魔王となった勇者ルーカスを、ハーフエルフのエルミアが対峙する。
焼け野原と化した王城で、国王を恐怖のどん底へ突き落とし、命を奪おうとするルーカスに、超究極聖魔法をかけた。
「ディルクにオーヴィル、ジェラルドとニコルは先に逝ってます。……ルーカス、さようなら」
膨大な魔力を封じ込められ浄化したルーカスの心臓に短刀を刺し、出現した魔石を取り出し、自身の体内に入れ込んだ。
「レオンハルト、今までありがとう。私は浄化のために身を隠します」
膨大な闇魔石を体内へ吸収したエルミアは苦痛な表情を浮かべ、座り込む。
エルミアに駆け寄り、聖魔法をかけるも効果がない。
「貴方には私が授けた聖魔法があります。貴方は間違っても憎しみの心を持ち、闇の魔力に囚われる事がないよう気をつけて下さい。また、逢いましょう……」
なけなしの力を振り絞り僕の体をギュッと抱きしめ、頬にキスを落とし、エルミアは消えた。
「……エルフの血を引いてるから消滅じゃないよね。また、逢えるよね」
エルミアが僕の元へ帰ってきた時のために、この世界を平和にすると心に決めた。
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