Ⅰ.喜び合う仲間

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Ⅰ.喜び合う仲間

 ――ついに、それを見つけた。  不可能だと言われてた『南海の秘宝』を発見したのだ。  俺たち四人はその宝箱を見つけると、恐る恐る開けた。  空っぽなんてオチも想像していたが、そこには金色に輝く財宝がザクザクと眠っていたのだ。 「ケビン! やったな!」  四人のうちで最も腕っぷしの強い戦闘要員、スライが肩を組んできた。 「スライ、ここまでよく戦ってくれた!」  俺もその労をねぎらう。スライの筋肉質な腕をポンと叩いた。 「ケビンくんを信用して、ついて来た甲斐がありましたよ」 「アーケン、知恵をかしてくれて助かったぞ」  時に意見が食い違い、ぶつかりもしたアーケンと、熱く抱擁を交わす。  俺たちは互いに腕の立つ方ではなく、頭でっかちだ。似ているからこそぶつかった。今なら最高の親友になれる気がする。 「ケビン! この金ですること、覚えてるよな?」 「もちろんだ、レイン。俺たちの秘密基地を作るんだ!」  レインも俺の胸に飛び込んで来た。  その線の細さに似合わぬ身体能力に、俺は幾度となく救われてきた。リーダーもどきの俺のことを最も慕ってくれていたレインがいなければ、俺はここまで辿り着けていないだろう。  レインの身体をひしと抱き返す。  ……と、ここで不可思議なことに気付く。  レインの身体が、というか俺に抱きついている胸の部分が、やたら柔らかいのだ。まるで女性に抱きつかれているかのような丸みを感じる。
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