バツイチの俺が家政婦に恋をした

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佳乃は実家に相談した。佳乃の父は既に他界している。 そこで、佳乃の母は、持っていた資産のほとんどを売却し、借金を立て替えてくれた。 これで解決したかに思えたが…… 借金返済が終わった頃に、佳乃の母が倒れた。 心労が原因だろう。 そして、あっという間に亡くなってしまったのだった。 佳乃は、自分が不甲斐ないから母が死んでしまったのだと思い、落ち込んだ。 それはある意味、当たっているとも思えた。 葬儀には、俺の両親も参列した。 そこで、俺の母はこんなことを言ってしまう。 「私も嫁に殺されてしまうのかしら」 俺の母は遠い地に住んでいて、年に数回しか会っていない。 しかし、いずれは同居する時が来るかもしれない。 嫁姑問題の深刻化は必須だった。 いや、俺の母のことはまだいい。 今は同居していないのだから。 それよりも、俺自身が佳乃のことを許せなかった。 息子の教育資金にと思って積み立てていたお金も、すべて佳乃に使い込まれていたからだ。 こんな妻に、大事な息子を育てられるのだろうか。 俺は佳乃に離婚を要求した。
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