バツイチの俺が家政婦に恋をした

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父子家庭としての日々は大変だった。 和哉は小学校に入学した。 仕事をしながらの子育てはきつかった。 児童会館に預け、引き取る時刻になると、俺は職場から抜けさせてもらい、和哉を迎えに行く。 その後、預ける場所がないので、自分の会社に連れて行った。 空いている応接セットに座らせて、読書やお絵描きをさせて時間を潰させた。 会社に理解があって助かった。 ただ、和哉は一人で時間を潰しているだけだ。 構ってあげることができないのがなんとももどかしかった。 離婚して思ったことが、妻のありがたみだ。 今にして思えば、佳乃の家事は完璧だったのだ。 やってくれて当たり前のように感じていたが、いざ自分が家事をする番になると、佳乃がいかに優秀だったのか、今頃になって理解できた。 俺と和哉の生活では、食事は毎食コンビニやスーパーのお弁当。 洗濯をし忘れて着る服がなかったり、トイレや洗面台がどんどん汚れていったり…… 生活はどんどん荒れていった。
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