バツイチの俺が家政婦に恋をした

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家事と共に、息子の学校のことも負担が大きかった。 連絡帳で、「持ち物に名前を書いてください」と担任から連絡があったので、いったいに何に名前を書くのかと思ったら…… 学校に持っていく物、すべてだった。 なので、算数のブロックやおはじきのケースに名前を書いてあげた。 しかし、翌日に戻されてしまう。 「1つ1つに名前を書いてください」 とのこと。 え? おはじきやブロックの1つ1つ? いったい何十個あると思っているんだ。 しかも、おはじきやブロックはとても小さい。 極細の油性ペンで書くのが速いのか、超小型の名前シールを印刷して貼る方が速いのか。 どちらにせよ、名前書きは手間がかかった。 和哉からは毎日のように、 「これ、名前ないからおうちの人に書いてもらって、って先生に言われた」 といろんなものを出された。 他にも、宿題の丸付けをしてください……音読を聞いてカードにサインをしてください…… もう、学校のことは学校でなんとかしてくれよ! とも思ったが、そうもいかないようだ。 妻に離婚を要求し、自分から父子家庭になったのだ。 愚痴を言っても始まらない。 やるしかないのだが…… 図工や算数で、たくさんの空き箱が必要なので持たせてください。 そんなことがお便りに書いてあった気がするが、なんとかなるだろうとあまり気にしていなかった。 いざ、持っていく日になると、数個しかないことに気がついた。 前からコツコツ取っておけばよかった…… 和哉が言うには、お友達はたくさん箱を持ってきていたとのこと。 なんだか申し訳ない…… 俺は父親、失格なのだろうか。
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