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『おお、弘樹の彼女さんか?』
『お父さんですか、よろしくお願いします。』
『お前、なかなかやるじゃないか。』
『父さん、何言ってんだよ...』
『こんな可愛い子を捕まえて...』
『やめろ。セクハラになるぞ。』
『んん、父さんは60
年生まれだからな、ゲネレーチオン・ガップを感じるなぁ。』
『はぁ?ジェネレーション・ギャップだろ。ローマ字読みになってるぞ。』
(一同の笑い)
二人とも、由紀をすごく気に入ってくれたみたいだし、今日は大成功だ。
両親に気に入られて、由紀もすごく喜んでた。
まぁ、いずれ結婚したいと話し合っていたのも叶いそうだ。
そして、大学を卒業して僕達は就職口を見つけた。
僕は大手電気通信会社の平社員、由紀は進学塾の教師見習いになった。
つまり、共働き家庭と言うわけだ。
ただ、今は2001年だ。
女性が産休をとると言うのは現実的ではない。
もし、産休をとりたいと言うなら仕事を辞職しろと言われる始末だ。
あまりこういう風潮は良くないと思うが、世の中の流れはどうにもできないので、いずれは由紀が妊娠したら僕が一人で大黒柱を担うつもりだ。
由紀も、渋った顔をしながらも、現状を受け入れてこの案に乗った。
でも、今日からは由紀を渋った顔にさせる世の中が恨めしく思うときもあるが、そんなに恨んでも苦しいだけだから、出来ることをしていこうと思っている。
そして数年間働いて、節約して、貯金がいくらか溜まった頃のこと。
僕達は働きづめだったが、時々は一緒に夕食でも食べたいので、休みの日をあわせてレストランに行った。
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