おりーさん

　飲み会当日、大学からの帰宅が遅くなってしまって中村に「少し遅れる」と連絡を入れておいた。

走って指定された店に入ると、いたのは中村だけじゃなかった。
他にも見覚えのない女の子や懐かしいヤツも。

そのお初の女の子を見た瞬間、その子にスポットライトが当たっているように見えたんだ。
色白でメガネを掛けていておっとりとした感じ。

でも何でもない素振りで合流して挨拶を交わして楽しく飲んだ。

どうやら中村はその子の事が気になっていて僕に見せたかったみたいだ。

わかりやすいんだよ、中村は。

だから僕はひとまず自分の気持ちは話さなかった。