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二人を送った帰り道、俺は遠回りをした。それはずっと避けていたとある十字路に寄るため。そこはアニキの亡くなった場所だった。
俺は缶ビール一本を取り出すと、道の邪魔にならないところに置いた。
「なあ、アニキ。アニキのおかげでミキと会えたよ。まさかだったけど、アニキが会わせてくれたのかもな」
俺はそう言って手を合わせると、家路についた。
なあ、アニキ。俺はこれからいくつ〈かもしれない〉という〈罪〉を積み重ねるんだろうな。
それでも、過去の後悔をくり返さないように生きられたら、最高だよな。
「そうそう、そういう心意気が大事なんだぜ、マモル」
アニキのそんな声が聞こえた気がした。
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