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帰宅し勝利の報告を妻にしてお弁当いつもありがとうと空のお弁当箱を妻に渡した。
美人様に挨拶をされた不思議な話しを妻にすると
成人式は私も羽織袴だったのよと妻がアルバムを
見せてくれた。
美人様は成人式の格好の妻と、そっくりだった。
僕は全てを理解した。
美人様は交通事故で3歳のときに亡くした
僕の娘の成長した姿だったんだ。
今日は成人式、妻と同じ羽織袴で成人した姿を僕に
見せに来てくれたんだ。
あの交通事故で、僕は右腕と3歳になる娘を失った。
居眠り運転のトラックに右腕と宝物を持って行かれた。
神様がもう少し僕に時間をくれたなら、きっと娘の命は僕の身体を盾にして守ってやれただろう。
ああ、神様なんてことをしてくれるんだ。
ああ、神様僕の宝物がタイヤに潰されていく。
加害者に、産まれたばかりの赤ちゃんがいなければ
僕はきっと奴の命を許さなかっただろう。
僕が涙を流すから、妻も涙を流していた。
僕が涙を流すから、妻が二人でトウィンクルレース
に行きましょうとお弁当を作り始めた。
僕が涙を流すから
娘は成人した姿で現れたのでしょうか。
「貴女は何処の美人様ですか」
この言葉は、3歳の娘に僕が良く言っていた言葉
でした。
娘はその言葉が大好きでした。
読んで頂き、有り難うございました。
どうも、牡牛座六白でした。
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