14人が本棚に入れています
本棚に追加
「当たり前じゃ。これまで信秀に大きな顔をされてきたが、これからは違う。弾正忠家など滅んでしまえばよい。尾張は、この信友のものじゃ」
「そうなると……、信長が邪魔でございます。殿」
大膳に一国を支配しようという欲はないが、出る杭は打たれるのことわざどおり、下手に欲はかかないのが賢明である。
だが、裏方に回っているのも限界がきたようだ。
「策はあるのか? 大膳」
策を求めてくる信友の背を、大膳は押すことにした。
自分は、ある逃げ道を用意した上で――。
最初のコメントを投稿しよう!