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第十五話 尾張に吹く旋風! 険しき夢の道
尾張・土岐川畔(※現在の庄内川)――。
夏天に、居並ぶ織田木瓜紋の旗印がはためく。
天文二十一年八月十六日早朝――、尾張下四郡守護代家臣・坂井大膳らによって襲撃された松葉・深田城主を救い出すため、信長は那古野城を出陣した。
この織田軍に末森城から柴田勝家が加わり、守山城から信長の三番目番目の叔父という織田信光が合流した。
「いつかはと思っていたが……」
どうやら彼も、大和守家が挑んでくると考えていたらしい。
「大和守どのにとって弾正忠家はいわば家臣筋、それが主家を越える実力をもつとなるとこの際、戦力を減らしたいんだろうよ」
「ですが守護代さまは、信行さまをたいそう推しておられると――」
信光と話をしていた織田家家臣の男はそういいかけ、慌てて視線を逸らす。
通りかかった柴田勝家と、目があったようだ。
その様子から事情を察した信光が、ゆるりと口の端を吊り上げた。
「どうやら、弾正忠家内でも揉め事があるようだな。で? うちの総大将はなにをしているんだ?」
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