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信長(※吉法師)の問いに、南蛮人は何故か困惑した。そして眉を寄せつつ球体を回し、日の本(※日本)はここと示した。
「ここが……、日の本……だと?」
それは、あまりにも小さな島国だった。
当然、尾張の位置はさらに小さく、何処にあるのかその南蛮人も、まだ子供の信長にも見つけられなかった。
あれから数年――、今も地球儀を回してみるが尾張の場所は見つけられてはいない。
ただわかったことは、日の本全体をみれば尾張一国は小さく、その尾張の中で同族が揉めているという現状である。
尾張守護・斯波氏にその力があればいいが、もはや尾張を纏める力はなく、守護代・大和守が尾張を手に入れんと画策を始めた。
そのためには、分家である織田弾正忠家が邪魔なようだ。
信長の弟・信行を弾正忠家当主と推すのは、弾正忠家の勢力を削ごうとしているのだろう。そしてついに、彼らは信長たち那古野城織田家の敵側に回った。
尾張を一つにするという信長の夢実現のためにはやはり、彼らとの衝突は避けられないらしい。
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