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「殿! 中条家忠さま、柴田勝家さまが敵将・坂井甚介の首級をあげたとのこと」
使者の報せに、信長は今回の戦の勝利を確信した。
「一気に攻めるぞ!!」
信長が手にする差配が振り下ろされ、信長を先頭に騎馬隊が松葉・深田城を囲む敵陣へと雪崩込んでいく。
この猛攻に坂井大膳は怯んだのか清須勢は総崩れとなり、信長は人質とされていた伊賀守と深田城主の叔父を救出、松葉・深田城を奪還したのであった。
◆◆◆
師走――、尾張の大地を雪が白く染め始めた。
相変わらず今川勢に動きはなかったが、尾張下四郡守護代・織田信友とその家臣・坂井大禅は要注意だろう。
「そうなったら俺が槍で突いてやりますよ!」
「いいな、お前は楽観的で……」
「佐々さま?」
萱津戦ののち、前田犬千代は元服し前田又左衛門利家(※前田利家)と名を改めた。
そんな利家の発言に佐々成政が呆れ、佐久間信盛が口を開く。
「確かに。今回の戦は向こうから仕掛けてきたが――」
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