第三話 種子島が変えるこれからの戦

3/8

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/141ページ
 苦笑する一巴に、話を聞いていた恒興は「あっ」と言いかけ、慌てて口を押さえた。  信長と堺の港に行った折、伴天連(ばてれん)が渡してきた絵図面。  信長は「あとでわかる」と言っていたが、これのことだったようだ。  思わず口を押さえたのは信長に(にら)まれたのもあるが、近くには怪訝(けげん)そうな顔をしている織田家家臣である林秀貞(はやしひでさだ)林通具(はやしみちとも)という兄弟がいる。  彼らは信長の素行(そこう)に対して常に不快そうな顔をしており、伴天連を通じて最新の火縄銃(たねがしま)を造らせたなど聞けば、ますます心は信長から離れるだろう。 「今川や武田も、最新の火縄銃(たねがしま)が欲しいだろうからな」  信長はそう言いながら火縄銃(たねがしま)を構え、狙いを定める仕草をした。  その原理は、火薬の爆発力で金属の弾丸を発射するという。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加