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苦笑する一巴に、話を聞いていた恒興は「あっ」と言いかけ、慌てて口を押さえた。
信長と堺の港に行った折、伴天連が渡してきた絵図面。
信長は「あとでわかる」と言っていたが、これのことだったようだ。
思わず口を押さえたのは信長に睨まれたのもあるが、近くには怪訝そうな顔をしている織田家家臣である林秀貞・林通具という兄弟がいる。
彼らは信長の素行に対して常に不快そうな顔をしており、伴天連を通じて最新の火縄銃を造らせたなど聞けば、ますます心は信長から離れるだろう。
「今川や武田も、最新の火縄銃が欲しいだろうからな」
信長はそう言いながら火縄銃を構え、狙いを定める仕草をした。
その原理は、火薬の爆発力で金属の弾丸を発射するという。
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